2016年 12月 29日
束の間の村 * 夏のムーミン村の思い出
たった2週間
キラキラと眩しく回るメリーゴランドの周りに浮かぶように存在していたクリスマス村は
クリスマスの日に、再び一年の眠りについた。
ほんの束の間、私の眼の前に現れる村。
あれは、毎年夏の初め
我が家の裏にあった小さな林にやってきた村。
開けた林で、その中央が少し広々としていたので
そこに大きなオレンジ色のテントが張られた。
何人かの人が出入りをしていて
夜になると電球の灯りがつき
そのオレンジ色のテントが浮かび上がる。
数日間、その繰り返し。
このテントも存在していたのは2週間ぐらいだろうか。
いつしか、両親や弟たちとみんなで
そのテントのことをムーミン村と呼ぶようになっていた。
夏が来るという頃には
「またムーミン村がやってくるね」となんだか家族みんなが
嬉しい気持ちになっていた。
特に私たちとそのテントと関わりがあるわけではなかったけれど
ただオレンジ色のテントがたって、夜にはそこに灯りがつくのが
楽しかったのだ。
何年かして、少し大きくなった私は
それはお中元の時期の配送センターの役割をしていたテントだとわかった。
配達のために商品の仕分けなどをしていたのだろう。
まだまだのんびりしていた時代だ。
さまざまな思いを乗せて運ばれる多くの小包や
空を越え海を越えかの地へと移動する荷物が行き交う季節になると
あのムーミン村を思い出す。
by echalotelle
| 2016-12-29 05:29
| 書いておきたいこと・思い出